先日6月4日(木)のカンブリア宮殿に新聞でも話題になったロイヤルリムジンの社長である金子健作氏が出演、600名を超える社員を一斉解雇ということで、新型コロナ禍が問題となる中で、社員を守るということで英断と言われていましたが、その後はバッシングもされたようです。実際はどうだったのでしょうか。今回のような災難はいつ何時起こることも限らないので、社長の対応、社員としてどうするべきかといろいろ考える方も多いのではないでしょうか。番組を通じて描かれた事実から、今後どういうようにすべきかと少し考えてみたいと思います。
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そもそも金子健作社とは?ロイヤルリムジンを始める前にはなにを、家族は?
名前 金子健作(かねこけんさく)
生年月日 1975年生まれ
年齢 44-45歳
大学 慶應義塾大学引用 カンブリア宮殿HPより
金子健作社長は2001年に不動産事業のアイビーアイを設立されています。アイビーアイのトップメッセージでIBI(Investment for Business Infrastructure)は、人々の生活やビジネスに欠かせない社会インフラへの投資を通じ、最先端のテクノロジーと掛け合わせることで「新しい価値」を創出しています。新しい価値は、インフラそのものの在り方を変え、既存のビジネスを「再生」します。とあります。「中古マンション」に、「新しい価値」を吹き込む「リノベーション」販売事業に取組んでいたようですね。その後、2008年にロイヤルリムジンを設立され、さまざまのタクシー会社を束ねて現在のロイヤルリムジングループとなったようです。IBIの100%と出資会社として、タクシーをモビリティ事業とし動く不動産と位置づけてもいたようですね。2020年に向けてアルファードなどの高級車を投入し、インバウンドへの対応の投資をしていよいよというところでの新型コロナ禍は残念だったと言わざるを得ませんね。
番組の中で、家族も紹介されていましたね。ご家族は兵庫県宝塚に住んでおられるようで、お子さんも3名いらっしゃるようですね。今回の事態をどう思われますかと奥さんにインタビューされていましたが、顔を出されて答えられているのは驚きでした。ぼかしたとしてもきっとネット上では出されてしまうので自ら公にされたのかと思いますが、その後顔面神経痛で入院されたと金子氏はTVの中で語っていました。ネット上で心無い人にいろいろ言われたのではないことを祈るばかりです。
金子健作社長のとったロイヤルリムジンの社員を新型コロナで全員解雇!社員の皆さんはどうしたらよかったのでしょうか?
そもそも、社員の皆さんはどうしたらよかったのでしょうか。番組内でフォーカスされた社員の方々の中には、早々と退職して失業手当をもらっている方もいました。金属勤続年数もそれなりに長く、月々の売り上げもトップクラスだったようです。ただし、勤めて半年未満の方はもちろん支給はないのですが、勤続年数が長くても65歳以上の方は1回だけ50日間分の支給のようです。支給額については以下の計算による基本手当日額に基づいて支給されます。
被保険者期間 1年未満 1年以上
5年未満5年以上
10年未満10年以上
20年未満20年以上 離職時の年齢 30歳未満 90日 90日 120日 180日 – 30歳以上
35歳未満90日 120日 180日 210日 240日 35歳以上
45歳未満90日 150日 180日 240日 270日 45歳以上
60歳未満90日 180日 240日 270日 330日 60歳以上
65歳未満90日 150日 180日 210日 240日
番組の中では、特に高齢者の比率が多いグループ会社の一つにフォーカスしていました。65歳以上の場合失業手当が50日分しか支給されないということであれば、会社都合で退職にはいわかりましたとはもちろん言えないと思います。その会社の一部の人はどんなに給与が下がってもいいから働きたいという方々もいて、会社自体が大手のフランチャイズということもあって、その会社の方針に沿って車の稼働率を下げて会社を存続させているようです。最終的にはグループ会社全体の8割以上の人が退職に応じ、一部の人は仕事を続けている、もちろんこのやり方に納得がいかないと係争している人々もいるようです。つまり社員の皆さんは自分自身で好むと好まざるとを関わらず選択肢を迫られ、従わざるを得なかったということになります。
金子社長はロイヤルリムジンの社員の皆さんにどう対応すべきだったのでしょうか?
金子社長が考え方は理解できるところもあるのですが、やはりこう決めましたら従ってくださいというのは問題だったと思います。もちろん金子社長は、弁護士の方にも相談していて、倒産させるしかないという意見をもらっていたようですが、一度倒産させると二度と再生が難しいという思いがありその方向には舵を切れず、思いついた退職させ、失業手当を給付という道に突き進んでしまったのではないでしょうか。もちろん8割以上の人が完全に納得しているわけではないでしょうが、退職に応じているわけですから、完全にこのやり方が間違っていただのではないかと思います。しかし少数の皆さんへの寄り添う気持ちが足りなかったのではないでしょうか。人それぞれ置かれている状況が違うのですから、そこへの配慮があればもうちょっと違う状況になったと思わざるを得ません。再就職が難しい高齢の方がを切り捨てるのではなく、少しでもよい方向性を見出せるようなトップの対応が重要だったと思わざるを得ません。
最後に編集後記で村上龍氏が、いつも取り上げている凄腕社長の話が特別で、今回のようなことが普通の会社で起こりうることと言っていたのが印象的でした。今回は会社のパワハラでやめるというような状況ではなかったのですが、新型コロナ禍でこのような状況に追い込まれたわけです。普通の生活をしている普通の人々の生活が脅かされるとき、やはり一つの会社だけでは対応できないものであるとつくづく思いました。迅速な公的な助成により助けられることもあれば、金子社長もここまで決断をせずに対応ができたのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。